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두자춘(일한번역문)
杜子春(芥川龍之介)
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故郷を想う
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아우님이 이토록 활약하는 줄 몰랐습니다. 옹근 2년이나 사이트들에서 잠적하다가 돌아오니 아우님이 보이시네. 반갑수다. 이제 우리 만나면 그간 회포를 잘 풀어 봄이 어떠하리오...
곧 《간도빨치산의 노래》전문을 싣도록 하겠습니다. 이 글은 연변문학 2013년 제2기와 제3기에 실렸던 글입니다. 연변문학 2기에 조선글로 된 원문이 실려있습니다.
좋은 글 잘 읽었습니다. 《간도빨치산의 노래》전문은 어디에서 볼수 있습니까? 읽어보고 싶은데요.그때 상황도 더 료해해보고...
참 의미심장한 이야기 입니다.
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2-11『狐(きつね)の倉(くら)』
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2011-11-13
2-11『狐(きつね)の倉(くら)』 ―鹿児島県― むかし、あるところにひとりの男がおったと。 男が荒地(あれち)を畑にしようと掘り起こしていたら、鍬(くわ)が思いっきり石を叩(たた)いた。 「しもうた」 男は、刃が欠けてめくれあがった鍬を持って鍛冶屋(かじや)へ行ったと。 いくがいくがいくと、道で子供達が手に手に棒(ぼう)っ切(きん)を持って、捕(とら)えた狐を打ちすえておった。 「お前(め)たち、その狐をおらに売ってくれんか」 男は、鍛冶屋に払う銭(ぜに)を子供達にやって、狐を買いとったと。 その狐を、子供達のいない所へ行って放してやろう思うて首縄(くびなわ)を持って歩いていたところが、ふと我にかえった。 「はて、おらは何をやっているんじゃ。鍬(くわ)が無(の)うては畑起こしが出来んというに、鍬をなおす銭が無(の)うなってしもうた。こりゃ狐どころじゃねえ。狐よ、悪りいが、そういうこんだ。勘弁してくれろ」 いうと、男はまた子供達のところへ行って、狐を戻して銭を返してもろうたと。 そしたら、子供達は、 「ちぇっ、なんだい」 「こん畜生め」 いうて、前よりも狐をいじめたと。 男は、どうにも立ち去りかねて、 「やめれ、やめれ、今度は本当に買う」 いうて、また銭をやって狐を買い戻したと。 狐を山へ連れて行き、 「ええな、二度と捕(つか)まんなや」 いうて、逃してやったと。 何日か経(た)って、男の家にその狐がやって来た。 「この間は危(あぶな)いところを助けていただいて、ありがとうございました。お礼に何か差し上げたいと思います。私の家には狐の倉(くら)といって、何でも無い物は無いという倉があります。あなたの望みのものを好きなだけお持ち下さい」 というので、狐と一緒に狐の倉へ行ったと。 「これが狐の倉です。どうぞ、中へ入って好きなものをとって下さい」 男は喜んで倉の中へ入ったと。 そしたら、すぐに倉の戸が閉(し)まり、外で、 「ぬすっと―、盗人―」 と大声で叫ぶ声がした。 「ちがう、ちがう、おらは盗人でねえ」 というけれども、赤い狐火が、ぽっ、ぽっ、とついて、それがあっちこっちから沢山(たくさん)集まって来て 「盗人は殺せ―」 って、騒がしいのだと。 男は、恐ろしくて恐ろしくて、倉の隅っこに縮こまって、 「だまされたあ」 いうて、ふるえとった。 しばらくしたら、外の騒ぎがおさまって、倉の戸がガラガラと開いたと。 さっきの狐が、 「そんなところに縮こまって、何をしているのです。好きなものを持って、早う、おいでなさい」 という。男は、 「本当に、本当だなや」 と念押ししてから、鍬(くわ)やら鋤(すき)やら銭(ぜに)こやら、持てるだけ持って倉から出たと。 「恐ろしかった。生きた心地もしなかった」 と、さっきの出来事を狐に話したと。そしたら、狐が、 「あなたがそういうのでしたら、そうなのでしょう。実は、私も、先日、同じ思いをしました。あなたに助けてもらったときは、やれ助かった、と喜びました。が、その後(あと)でまた子供達に返されたときには、もう生きた心地はしませんでしたよ。再び助け出されたわけですが、あの時のことを考えると、ちょうどあなたの場合と似ています」 と、こういうたと。
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2-10『宝来(たからく)る水(みず)』
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2011-11-13
2-10『宝来(たからく)る水(みず)』 ―岡山県― むかし、あるところに大層(たいそう)な分限者(ぶんげんしゃ)がおったと。 大歳の晩に作男(さくおとこ)を呼んで 「明日は正月じゃけえ、早起きして若水(わかみず)を汲(く)んでおくように」 といいつけた。 「旦那さん、若水いうたらどがあなもんなら」 「お前、若水を知らんか。若水いうたら正月神様にお供(そな)えす水じゃ。川に塩をまいてお清めしてから汲んで来るんじゃぞ。ええな」 「へえ、わかりやした」 作男は、年始めの大事の用(よう)をおおせつかって、わくわくして寝たと。 さて、明くれば正月元旦。 作男は張り切って起きた。起きたところが、外はどえらい雪が降り積っておった。すねまでもあるような大雪。 「こりゃあ、かなわん。うっかり川に近づいてみろ、ドボンとはまって、若水とりのつもりが若男とられになっちまう。こいつぁ何ぞ思案せにゃあ」 雪ん中をこいで行くのが大儀なもんで、あっちきょろきょろ、こっちきょろきょろしとったところが、うまいぐあいに、田んぼの口(くち)から水が出ている。 「おう、あれがよかろう」 すぐ近間(ちかま)の、その水を汲んだと。 そしたら、それを女中が見ていて、分限者に知らせたと。 「へい、ただいま戻りやした」 「何が、へい、戻りやしただ。ちょっと来い。お前、今、何して来た」 「何いうて、旦那さんに言われて若水とりに行って来ましただ」 「若水汲んで来たゆうて、女中から聞きゃあ、お前は田んぼの水を汲んだそうじゃないか。あほうごとしてからに。神さまをたばかると家にゃあ福が来まいが。お前みたいなやつは、置いとけん。暇(ひま)ぁ出す」 分限者はカンカンになって怒ったと。 ところが作男は、けろっとして、 「そりゃあ、何じゃあ、旦那さん。考え違いじゃがな。おら、田から来る水を汲んで来たんじゃ」 「だから怒っとるんじゃ」 つまり、宝来る水を汲んで来たんじゃ」 分限者は、鳩が豆鉄砲くらったような顔をしてたが、そのうち、ポンとひざを叩(たた)いて 「おお、そうか、お前ええことを言うてくれた。宝来る水か、こりゃあええ」 こう言うて、えらい喜んだと。 「食え、食え、食え、食え」 いうて、ご馳走をしてくれるは、お年玉をどっさりくれるは、作男も分限者も、いい正月を迎えたと。 むかしこっぽり杵のおれ。
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2-9『大歳(おおどし)の亀(かめ)』
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2011-11-13
2-9『大歳(おおどし)の亀(かめ)』 (隣りの爺型) ―福岡県宗像郡― むかし、あるところに貧乏な爺(じい)と婆(ばあ)とが暮らしておったそうな。 ある年の暮れ、爺は山へ行って木を伐り、それで餅(もち)を搗(つ)く杵(きね)を作って町へ売りに行ったと。 「餅搗き棒はいらんか 餅搗き棒はいらんか」 と、町を何度も何度も往ったり復たりしたけれど、ひとつも売れんかったと。 晩方(ばんかた)になって、戻り道をとぼらとぼら歩いていたら川の橋に差しかかった。ふと思いつき 「竜神様に餅搗き棒一本、献上します」 といって、川の中に杵を投げ入れたと。 沈んでゆく杵を見ながら、 「したども、餅搗き棒は伐ったれど、年は何でとろうや」 とつぶやいたら、 「米や銭でとりゃれ」 と、声がした。 不思議に思ってキョロ、キョロしてみたが誰もおらん。 「気のせいかな」 爺は今度は橋の下へおりて捜したと。汀(なぎさ)をを捜していたら一匹の亀がいた。 「まさか、これがな」 と思いながらも、試しに、 「餅搗き棒は伐ったれど、年は何でとろうや」 といってみた。すると、亀が、 「米や銭でとりゃれ」 と答えたと。 「こりゃ、また、物を言う亀とは珍しい」 爺は亀を懐に入れて分限者の所へ行ったと。 「珍しいものを獲りましただ。ちょいと見てくんなせ」 懐から亀を出して、 「餅搗き棒は伐ったれど、年は何でとろうや」 といったら、亀は前より大きい声で、 「米や銭でとりゃれ」 と答えた。 「これは、これは、年の暮に誠にめでたいことよ。思わずぬ耳福をさせてもろうた。 分限者は大層喜んで、たくさんのお金を包んでくれたと。 爺は、亀とお金を持って帰り、婆と二人で 「よかった、えがった」 といっていたら、そこへ、隣りの欲深爺(よくふかじい)が来たと。 欲深爺は、二人から話を聞くと、何としてもその亀が欲しくなった。 何だり、かんだり言って、無理矢理借りて、早速、別の分限者のところへ持ち込んだと。 したが、亀は、うんともすんとも言わん。 「人を詐(いつわ)るのもたいがいにしろ」 分限者は、カンカンになって怒ったと。 欲深爺は、恥はかくし金儲けは出来んし、腹が立って、腹が立って、途ちゅうで亀を殺して捨てたと。 次の朝、爺が亀を返してもらおうと欲深爺の家に行ったら、 「あれは、物をいわなかったから殺して捨てた」 という。 爺は悲しんで悲しんで、捨てた場所へ行って死骸(しがい)を持ち帰り、家のカマドの側(そば)に埋めてやったと。 ニ、三日したらそこから筒が生え、ずんずん大きくなって、天井を抜き、雲をも通り、天道様の金庫を突き破ったと。 「あれよ、あれよ」と爺と婆が上をながめていたら、天から、 「爺、婆、早くムシロを敷け」 と声がした。 二人は、あわててムシロを敷いたら、天より、金銀小判がザンザラン、ザンザランと降ってきて、小山のようになったと。 その音を聞いて飛び出して来た隣の欲深爺と婆は、うらやましくてならない。 また亀の死骸を借りて、カマドの横に埋めたと。筒が生えて、大きくなって、天に届いたと。そしたら、天から、 「早くムシロを敷け」 と声があったので、あわてて敷くと、天から糞汁(ふんじる)が滝のように降って来たと。 欲深爺と婆は、糞山(くそやま)の中に埋もれて死んだと。 筒は、天の糞倉(くそぐら)を突き破ったんだと。 それぎんのとん。
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2-8『死神(しにがみ)の魂袋(たましいぶくろ)と扇(おうぎ)』
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2011-11-13
2-8『死神(しにがみ)の魂袋(たましいぶくろ)と扇(おうぎ)』 ―鹿児島県与論島― むかし、あるところに病気でふせっている娘がおったと。 娘の病気は日に日に重くなって、いよいよ今日死ぬか、明日死ぬかという日のこと、 娘の枕元に、親類の者やら近所の人たしが集まって、見守(みまも)っておったと。 真夜中になって一人の若者がかけつけた。 すると、黒い服を着て、でっかい鎌を持った奇妙な男が娘の家の回りをうろついておった。 「気味悪るいやつだな」 若者がそれとなくその男の様(よう)子をうかがっていると、その男は時々壁の隙間から家の中をのぞいている。 若者は思い切って声をかけたと。 「あの、もし、あんたは誰な、この家に何ぞ用かいの」 「わしか、ヒ―ヒヒヒ わしは死神だ ヒ―ヒヒヒ。わしは一番鶏が歌うまでに、ここの娘の魂を取らねばならんので、うかがっておるんじゃ ヒ―ヒヒヒ。じゃが、人の出入りが多くてわしが入り込みすきが無い。すまんがお前、わしの手伝いをしてくれんか」 若者は死神と聞いてびっくりした。が、とっさに思案が浮かんだ。 「あ、ああ、い、いいよ、な、何をしたらいい」 「ヒ―ヒヒヒ しょ(そ)うか、手伝ってくれるか。そんならお前は、外で見張りをしておくれ、人が来たら知らせておくれ」 死神はこういうと、すうっと家の中に入った。 そのとたん、皆居眠りを始めた。 若者は、そおっと隙間から死神のすることをのぞいたと。 死神は娘の枕元に座ると、懐から皮袋と扇を取り出し、皮袋の口を開いて、まず 娘の片方の耳元で扇をゆっくりひとあおぎ、もう一方の耳元でまたひとあおぎ、次に口元でひとあおぎした。 娘があくびをひとつしたとき、皮袋の口をキュッと閉めた。 娘はコロッと死んだと。 「やれ、終った」 死神はニタッと笑って、外へ出て来た。 「ご苦労じゃった。手伝うてくれた礼に、お前の魂をもらいに来るときにゃ、ゆっくりゆっくり来てやるからの ヒ―ヒヒヒ」 といって、墓場の方へ歩いて行ったと。 その歩き方が、右にトボラ、左にトボラといった調子で、心もとないのだと。 「し、死神どん、どうしたや」 「なんだか、わし、さっきの人の出入りで気をつかい過ぎて、くたびれたようじゃ。この魂の入っとる袋が重うて、重うて」 「その袋、おらがかついでやる。ほれ、こっちへよこせ」 「そうか、悪いな」 死神は皮袋と扇を若者に渡したと。 若者は、皮袋と扇を持って死神の後ろを歩き、墓場の入り口に差しかかった時、今だ、とばかりに、扇で脇腹を「パサパサ」叩いて、「コケコッコ―」と鶏の泣き真似をした 安心しきっていた死神のあわてたこと、 「しもうた」 と、一声残して、フッと姿がかき消えたと。 若者が娘の家にとって返すと、家では皆、オイ、オイ泣いる。 「泣かねえでええ、おらがきっと生きかえらせる」 こう言うて、娘の枕元にいざり ると、皮袋の口を開けて、まず片方の耳元で扇をゆっくりとあおぎ、もう一方の耳元でひとあおぎ、次に口元でもひとあおぎして魂を娘にあおぎ入れたと。 娘はあくびひとつして生き返ったと。 若者は娘の婿殿となって、二人仲よう暮らしたと。 そいぎぃのむかしこっこ。
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2-7『でこ鼻(はな)と手長(てなが)、足長(あしなが)』
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2011-11-13
2-7『でこ鼻(はな)と手長(てなが)、足長(あしなが)』 ―新潟県― ざっと昔があったてや。 あるところに、でこ鼻と、手長と、足長の三人がおったと。 でこ鼻はでっかい鼻をしてるし、手長はばかに手が長いし、足長は足が人の何倍もあったと。 あるとき、三人でお伊勢参りをしたと。米山薬師の所まで来ると、見晴らしがいいので一休みしたと。 でこ鼻が、 「おう、こらええ気持ちだ。酒でも呑みたいな。足長、お前、一っ走(ぱし)り走(はし)って酒買ってこいや」 というたら、足長は長い足で長岡(ながおか)の町まで酒買いに走った。一反(いったん)の田圃(たんぼ)もひとまたぎで、あっというまに買って戻ったと。 そしたら今度は、手長が長い手を小千谷(おじや)の海まで伸ばして、魚をとってくれた。 三人は酒呑んで、ごっつぉ食べて、ぐっすり寝入ったと。 しばらくたって、一番先に目を覚ました足長が、でこ鼻の鼻の穴をのぞきこんで、 「なるほどでっこい鼻だ。ちょいと隠れてやろか」 というて、鼻の中にずんずん入っていったと。 でこ鼻は、鼻がくすぐったくて、ハックションって、くしゃみをしたと。それがあんまりでっかい音で、手長が目を覚ました。 「どうした、でこ鼻」 「俺れの鼻ん中で何かが動きまわっているような・・・ハッ、ハッハックショ―ン」 「おれが捜してみるべ」 手長がその長い手をでこ鼻の中に入れてさぐっていたら、中にいた足長が面白がって、手長の足を踏みつけたと。 「あいたたたぁ、どうやら、足長が中にいるようだなぁ。ひとつ呼んでみるべか」 「ああ、そうしてけろ、どうにもこうにもくすぐったくって・・・ハックショ―ン」 手長がでこ鼻の鼻の中に頭を入れて 「おうい、足長よ―、おめ、そんなところで何しとるや―」 といった、 「おう、おら―、煙草(たばこ)を刻(きざ)んどる最中(さいちゅう)だぁ一ぷくしたら出て行く―」 と返事がかえって来たと。 「お、俺の鼻ん中で火ぃつけられたらたまらん。手長よ、何とかしてくれ」 「と言われてもなぁ・・・、 おうい足長よ―、中で火ぃつけても大丈夫(だいじょうぶ)かや―」 「なんの火ぃぐらい。でこ鼻の鼻ん中には千軒の町があるすけぇ」 「お、おい、でこ鼻、足長があんなこと言うてるが本当かや」 「まさか、いっくら俺の鼻がでっかいったって、そんなことはねぇ」 「おうい足長ぁ、嘘(うそ)こくでねぇ―」 「なんの嘘なもんかぁ、嘘だと思うなら出して見ろや―」 「よろ―しっ」 手長が両手をぐ―んと鼻ん中にさし入れて改めてさぐってみると、確かに何かあり気なようすだ。 力を込めて、ずるり、ずるり引っ張り出したら、何と、本当に千軒の町が出て来たと。 それが、今日の柏崎(かしわざき)の町だったと。 でこ鼻は驚くやら、得意になるやら、 とても参らば米山薬師 花の柏崎 目の下だ と歌ったと。 いちご栄え申した。
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2-6『吉四六(きっちょむ)の火事騒動(かじそうどう)』
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2011-11-13
2-6『吉四六(きっちょむ)の火事騒動(かじそうどう)』 ―大分県― 昔、豊後の国、今の大分県大野郡野津町(おおいたけんおおのぐんのづちょう)大字野津市(のづいち)に吉四六さんという、とても面白い男がおったと。 あるとき、吉四六さんの村で真夜中に火事があったと。 村中寝静まっていて、気がついたのは、便所に起きた吉四六さんだけ。 「こりゃ大事(おおごと)だ、庄屋さんに早いとこ報(し)らせにゃ」 走り出そうとした吉四六さん、日頃庄屋さんに言われている言葉を思い出した。 「こりゃ吉四六、お前はあわて者(もん)でいかん。走り出してから考えるのじゃなく、考えてから動きなさい」 「おっと、いかん、いかん。こういう時こそ落ちつかなくては。先ずは、カマドに火をつけて、それから湯を沸(わ)かして・・・と」 吉四六さん、沸いた湯で顔を洗い、ついでに念いりにヒゲを剃った。 「これだけではいかんな。庄屋さんは村一番の偉(えら)いお人じゃき、粗末な格好では失礼になる」 長持ちから、古びた羽織袴を取り出して着込み、右手に白い扇(おうぎ)を持った。 「だいたい、こんなもんでええじゃろか」 落ちついて、ゆっくりゆっくり庄屋さんの屋敷へ行き、雨戸の外から礼儀正しく声を掛けた。 「ええ、お庄屋さま、ええ、お庄屋さま、ただいま火事でございまする」 と、ぼそぼそと言っていると、その声で目を覚ました庄屋さんが寝ぼけまなこで出て来た。 「なんだ吉四六か、フワァ―、こんな真夜中にそんな格好をして、一体何事だね」 「ええ、ただいま火事でございまする」 「な、なに、いま何というた」 「ええ、ただいま火事でございまする」 いっぺんに目が覚(さ)めた庄屋さん、火事場にすっとんで行った。 その後ろから、吉四六さんもついて行く。 「ありゃ、すっかり燃えてしもうた。 こりゃ吉四六、夜中に火事がある時にゃ、大急ぎで戸をたたいて、大声で叫べ。ええか!!」 「へへぇ―、わかりやした」 さて、次の晩のこと、 吉四六さんは、丸たん棒を持って庄屋さんの屋敷へ行った。 「火事だあ、火事だあ!」 と叫びながら、丸たん棒で雨戸をドカン、ドカン、バリン、バリン。とっても楽しそうだと。 「火事だあ、火事だあ」 庄屋さん、びっくりしてとび起きて来た。 「何だ、何だ、何ごとだ吉四六」 「火事だ、火事だ」 「わかった、わかった。そんなに叩くな、家が壊れる。で火事はどこな」 それを見た吉四六さん、 「庄屋さん、今度火事があったときにゃ、こんくらいのところでよろしいござんすか?」 と、すまして、こう言うたと。 もしもし米ん団子、早う食わな冷ゆるど。
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2-5『猫絵十兵衛(ねこえじゅうべえ)』
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2011-11-13
2-5『猫絵十兵衛(ねこえじゅうべえ)』 ―山形県― むかし、あるところに猫絵十兵衛(ねこえじゅうべえ)という飴(あめ)売りがおったそうな。 十兵衛は猫の絵を書くのが大層うまくて、画かれた絵の猫は、どれもこれもが今にもニャーゴと鳴いて動き出しそうなほどだったと。 あるとき十兵衛は、飴を売りながら村々を歩いているうちに、ふいに、妙な屋敷街(やしきまち)に入り込んだと。 道の両側には鱗塀の立派な家々がずらーっと建ち並んではいるが、あたりはシーンとして、物音ひとつしない。 「何だか、気味(きみ)悪いな」 十兵衛は今来た道を少し戻ってみた。すると、道端(みちばた)の木の枝が道にかぶさるようにのびているのがあって、それに、何やら看板ふうなのがぶらさがってあった。よく見ると、 「これより猫の国」 と、書かれてあった。 「猫の国だと!? はて、妙な国へ迷い込んだもんだ」 十兵衛は、街の中をキョロ、キョロしながら歩いて行ったと。 しかし、どっちへ行っても人っ子一人にも出会わない。 「どうも、妙(みょうあ)じゃあ」 なおも、そこいらここいらを歩いていると、 向こうから、黒い着物を着た猫の姉さまがひとり、カンコ、カンコ、カンコと下駄を鳴らしてやって来た。 「やれ、やっと一人見つかった。あの、もし」と声をかけると、猫の姉さまはびっくりして目をまんまるにしとる。 「俺れは別にあやしい者(もん)でねえ。見た通りの旅の飴売りだ。ちょいと物を尋ねますがのう、ここは人が住んでいるんですかいのう。ちいっともそんな気配がありませんが」 と聞くと、猫の姉さまは急にオイオイ泣き出して、 「少し前まではここにもいっぱい人は住んでいたのですが、大っきなネズミが出て来て一人喰(く)い、二人喰い、皆喰って、とうとう私ひとりになってしまいました。残った私も、今日喰われるか、今日喰われるか、と、おびえて暮らしていました。けど、耐えきれずに、いっそ早よ喰われてしまおうと、わざと下駄をならして歩いていたのです。旅のおひと、どうか助けて下さい」 と、拝(おが)むようにして頼むんだと。 「そうかぁ、それは災難じゃったのう。よおっくわかった。ちょっと俺れに紙と筆を貸してくれ」 十兵衛は筆と紙を借りると、強そうな猫の絵をたくさん描いたと。 やがて夜(よる)の子(ね)の刻(こく)になったころ、大っきなネズミがやって来た。仔馬ほどもある大っきなネズミだと。 そいつが、 「猫はおるかー」 って、おっそろしいのだと。 二人が隠れている家にやって来て、 「ここにおったかー」 って目をジャガリ光らせて迫った。 十兵衛は、自分の描いた絵に、 「出れ、出れ、出れ、皆出れ」 というと、みんな絵から抜け出て、みるみるいっぱいになって、大っきなネズミに襲いかかっていった。 チューやら、ニャーやらの騒きでねえ。 「ガオー。フギャー」 って、大騒ぎだと。 いっくらネズミが強いったって、猫が喰われるそばから十兵衛がさっと絵を描いて、 「出ろ、出ろ」 とやるもんだから、さしもの大ネズミも疲れて、とうとう噛(か)み殺されてしまったと。 猫の姉さまは喜んで、 「どうか、私の婿殿になって下さい」 と頼んだと。十兵衛は、 「いや、俺れには、妻も子もあるし、ないのは金だけだ」 というと、それならばと金をいっぱいくれたと。それを背負(せお)って、 「やれ重い、やれ重い」 といっていたら、そこで目が覚めたと。 木陰(こかげ)で眠っているうちいに、背中の重い飴箱が十兵衛にのしかかっておったと。 とんぴんからりんねっけど。
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2-4『仁王(におう)か』
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2011-11-13
2-4『仁王(におう)か』 ―長野県― むかし、ある寺に仁王門(におうもん)があって、その中に大っきな仁王様がごさらっしゃったそうな。 仁王様は一日中、夜も昼も休むひまなく仁王門の中で立ち続けているので、退屈で退屈でしかたがなくなってしまったそうな。 そこで、ある晩のこと、 「朝から晩まで立ちっぱなしじゃ、おもしろくないな。なあに、夜くらは誰れにも見られんから、ちっとは遊びに出かけてもよかろう」 といって、お寺の周囲(まわり)を夜廻りを兼ねてぶらついたと。 「おお、こりゃ、ええ。凝り固まった身体が段々ほぐれて、新たな力がみなぎってくるのが、ようわかるわい」 お寺が村はずれにあって、誰れにも見られんのをいいことに、それから毎晩出歩くようになったと。 そのうちに、だんだん遠くの方まで遊びに行くようになって、人家のある所までやって来た。すると、真夜中だというのに一軒だけ灯(あか)りがともっている家があった。 近づいて、そっと窓障子(まどしょうじ)の破れ穴から中をのぞいて見ると、婆さんが一人おって、糸車をまわして、糸をくっていた。 仁王様は、初めて見る景色が何ともいえず珍らしい。 「ふーん、何やらブンブン廻(まわ)しとるが、ありゃ、何たらもんじゃ」 と、ふしぎそうに眺めていると、婆さんは、糸車をまわしながら、片っぽうの尻(しり)をひょいと持ちあげて、大っきな屁を、ブフワァンとこいた。 思いがけないことで、仁王様が思わず笑うと、婆さんは誰か村の人かと思って、 「おうおう、匂(にお)うか」 と聞いた。 仁王様はこれを、「仁王か」と言ったのだと早合点して、さあ、魂消た。 「やっ、わしが隠れていることを、ちゃんと知っとる。こりゃいかん」 あわてて逃げ帰ると、もとの通りに仁王門の中に入って、知らん顔をして立ってござらっしゃったそうな。 そればっかり。
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2-3『カンザシをさした河童(かっぱ)』
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2011-11-13
2-3『カンザシをさした河童(かっぱ)』 ―和歌山県― 紀州(きしゅう)、今の和歌山県西牟婁郡中辺路町(にしむろぐんなかへじまち)に伝わる話をしようかの。 ガイラホシというのを知っているかな。 ガイラボシというのは熊野地方の方言で河童のことをそう呼んでいる。 夏、川や海へ泳ぎに行くと、水の中へ引きずり込んで尻子玉(しりこだま)を抜くという、あれのことだ。 そのガイラボシが、むかし、中辺路の温川(ぬるみがわ)に棲(す)んでおったんだと。 なんでも、うわさでは、このガイラボシはほかのと違って頭にたいそうきれいなカンザシをさしておったそうな。 その頃村に、シゲノという、かわいい、かわいい娘がおったって。 シゲノは、村の人たちがそのうわさをする度に目をかがやかせて聞いておったが、そのうちに、 「一度でいいから、おらも、そのカンザシを見てみてえ」 いうて、見とうて、見とうてたまらんようになったと。 そこで、二親(ふたおや)が寝しずまるのを待って、こっそり家を抜け出して、ガイラボシが出るという川べりへ出掛けて行ったと。幾晩もだと。 物かげに隠れて、じいっと目をこらして川を見つめ続けては、 「今日も出てこんかった」 いうて、つまらなさそうに家に戻るんだと。 そんなことをくり返しているうちに、幾晩めかに、とうとうそのガイラボシに出会うたと。 月の光に照らされたカンザシは、キラキラ、キラキラ輝き、それはもうきれいなものだったそうな。 「一度でいいから、あのカンザシをさしてみたい」 シゲノはすっかりこのカンザシに心をうばわれてしまったと。 ある晩のこと、シゲノが川べりに来てみたら、水の中からガイラボシが頭を出した。 月明かりで水はテラテラ光っとるし、カンザシはキラキラ輝いとるし、シゲノの頭はしびれたようにボ―ッとしてしまった。 するとそのガイラボシがシゲノの方を向いて、おいでおいでと手招きをする。 シゲノは招かれるままに川の中に入っていった。 一歩、また一歩。水はシゲノのひざから腰、そして胸のあたりへとだんだん深くなっていく。それでもシゲノはガイラボシに近づいて行った。 その晩を境に、村の人でシゲノの姿を見かけた人はだあれもおらん。 ただ、そんなことがあってから、村の人たちは、その淵を「シゲノ淵」と呼ぶようになったんだと。 おしまい。
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2-2『屁(へ)一(ひと)つで村中全滅(むらじゅうぜんめつ)』
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2011-11-13
2-2『屁(へ)一(ひと)つで村中全滅(むらじゅうぜんめつ)』 ―栃木県― 昔、ある村に屁っぴりの娘がおったそうな。 あんまりひっきりなしに屁をこくので、めったに外へ出ることはなかったと。 「この娘(こ)は、一生嫁に行けないのでは」 と、ふた親の心配は日毎(ひごと)に増すばかり。 ところが、ある日、思いがけず隣り村(となりむら)の分限者(じゃ)から、息子の嫁にもらいたいとの話があったと。 ふた親は、恥をしのんで分限者に打ちあけたと。 「この娘は、腹に少々故障(しょうしょうこしょう)がありまして」 「ほう、といわれると」 「はあ、あのう・・・、オナラを・・・するのです」 「何と、オナラですと。そんなもの誰でもしますがな。私なんぞ、日に五、六回はしますな。それとも何ですか、オナラに事(こと)かけて私共とのこの縁談、断るとでも・・・」 「あ、いえ めっそうもない。本来なら、願ってもない良い縁談と思うとりますが、何分、そのう・・・」 「本来も何もありません。願ってもないといわれるのなら、是非ご承諾ください」 これこの通りと、分限者に頭を下げられたふた親は、 「オナラさえご承知して下さるのなら」 「承知」 と、分限者がポンと手を打って、この縁談まとまったと。 いよいよ嫁入りという時になって、母親は娘を呼んで、 「あちらさまは、ああ言って下さったが、お前のは並(なみ)のの屁っぴりではありません。嫁に行ったら充分気をつけて、決して粗忽(そこつ)なことをしてはいけません」 と言って聞かせたと。 祝言も無事済んで、三日たち、四日たち、七日も過ぎると、我慢に我慢を重ねたせいで腹がキリキリ、キリキリ、痛とうてかなわんのだと。 かがんたひょうしに、思わず、ブファ―と一つ、(ひと)、やってしもうた。 娘は、くれぐれも母親に言われたのにと思うと、 「今のはきっと聞かれたに違いない。この先追い出されでもしたら、ふた親に顔向け出来ない」 と思いつめて、とうとう、村の大きな池に身を投げて死んでしもうたと。 すると、聟殿は、 「屁ひとつぐらいで、あんないい娘を殺してしまって、先方に申し訳ない。自分も後を追って死んでしまおう」 と、やはり池に飛び込んで死んでしもうた。 そしたら、嫁と息子に死なれた分限者夫婦は、 「この先頼りにする者たちに死なれて、何でこの世に楽しみがあろう」 と、また続いで池に入って死んでしもうた。 そしたら何と、 「村の親ともいうべき分限者が死んでしまっては、この村にいても暮(く)らしようがない」 というて、村の人々は次々と皆んな池の中に飛び込んで死んでしもうたと。 村にはだあれもいなくなったと。 おしまい ちゃんちゃん。
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2-1『さか別当(べっとう)の浄土(じょうど)』
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2011-11-13
2-1『さか別当(べっとう)の浄土(じょうど)』 ―新潟県― 昔あるところに魚釣(さかなつ)りの上手な男がおったそうな。 ある日、男は、屋根の葺(ふ)き替(か)えをしようと、村の人達を頼んだと。 村の人達は、 「お前さんは雑魚(ざこ)釣(つ)りが上手だすけに、今日は、家の方は俺らたちに任(まか)して、雑魚でも釣って来て御馳走してくれんか」 と言うので、 「そうか、相済(あいす)まんの。そんなら家の方は頼んます。俺ら、一所懸命釣って来ますけに」 と言うて、釣竿かついで川へ行ったと。 男が釣糸をたれて、じいっと魚信(あたり)を待っていたら、いつからいるのか、傍(かたわら)に美しい娘が立っておったと。 娘は、にこにこ笑って、 「もし、お前さん、さか別当の浄土へ行って見ませんか」 と言う。 「さか別当って何だ」 「行けば分かります」 「ふ―ん。いいところか」 「はい、それではご案内しますから、ちょっとの間、目をつぶっていて下さい」 男が目をつぶると、娘は男を背負たと。 水を潜るような感じがしたと思うたら、もう着いておった。 「ここがさか別当の浄土です」 というので目を開けて見ると、そこは、今まで見たことも聞いたこともない立派な御殿の座敷だったと。 「いや、こりゃ、なんともはやぁ」 とたまげて、きょろきょろしていると、大勢の美しい娘たちがたくさんの御馳走を運んで来くるのだと。 「さあ、さあ召し上がれ」 口に運ぶどれもこれもがとろけるようなおいしさで、男はさんざん食べて呑んだと。 目の前では、舞い姫たちが色とりどりの羽衣(はねぎぬ)のようなのを着て舞い踊り、何ともいい気分だ。 毎日毎日、美味しいものを食べ、面白い遊びを見たりしている間に、大分月日が経ったと。 ある日、男を案内してきた娘が、 「お前さん、私の婿殿になってくださるまいか」 という。 男はふたつ返事で承諾したと。 夢のような楽しい日を送っているうちに、やがて子供が出来、それからまた何年も過ぎて、孫が出来、彦孫(ひこまご)が出来、やしゃごまで出来たと。 ある日のこと、男は、ふと昔のことを思い出したと。 「俺らは、考えてみれば、屋根の葺き替えの日に川へ雑魚釣りに来たのだった。いつまでも帰らないで、こうして永い年月(としつき)を面白く暮らしているども、いったい、その後家はどうなったろう」 そう思うと矢も もたまらなくなって、嫁に、 「俺ら、家が気になって来た。一度帰って見ようと思う。すまんども、また元の所まで送ってくんないか」 と言うた。嫁は、 「そんなことなら仕方ありません。送ってあげましょう」 と言うて、男に目をつぶらせ、背負って元の川へ戻してくれたと。 川へ戻ってみると、不思議なことに、いつか置き去りにした釣り竿がそのままになっている。 首傾げながら家へ帰ってみると、何と、家では、村の人たちが大騒ぎで屋根葺きのまっ最中だ。 「あれ、あれ、お前さんはもう戻って来なさったか。こんなに早よう帰ったのでは、雑魚も大して釣れなかったろう」 男は、何が何だか分らなくなって、ぽかんとしとったが、やっと気を落ちつけて今までの出来事を物語ろと、皆々、不思議なこともあるもんだと言い合ったと。 さか別当とは、目(ま)ばたきする間に時が流れる、そんなところだと。 いちごさっけ。
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55『蛙(かえる)の坊(ぼう)さま』
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2011-11-10
55『蛙(かえる)の坊(ぼう)さま』 ―山形県― 昔、あるところに蓮(はす)の葉がいっぱい植(うわ)っている池があって、蛙が一匹おったと。 蛙は蓮の葉でお寺を建てて、そこで毎日毎日、ゲエロゲエロとお経を詠(よ)んでいたと。 ある朝、蛙が、 「蓮の花、今日はなんぼ咲くかなあ、咲いた数だけ弔(とむら)いせにゃならんから、あんまり咲いて欲くないなあ」 と言いながら 池の中を見廻(みまわ)ったら、五つ咲いたと。 「ありゃあ、今日は五つも弔をせにゃならん。こりゃ、くだびれそうじゃ」 と言っているうちに、もう、モグラの奥さんがやって来た。 「おらえの父(とう)さんがコロッと死んだから、弔ってくれ」 蛙が 「ゲエロ、ゲエロ、ギャ―、ナマンダ―」 とお経を詠んでやったら、 「坊(ぼう)さま、父さんが死んで、どこさ行くもんだべ」 と聞く。 「まんず、極楽浄土だべ。ナマンダ―」 と言ってやると、モグラの奥さんは喜んで帰って行ったと。 次に来たのは、ヤマガラの母(かあ)さん。 「おらえの子供が巣から落ちて死んだ。弔ってもらいたい」 「ゲエロ、ゲエロ、ギャ―、ナマンダ―」 「坊さま、その子はどこさ行くべか」 「子供は神の子仏の子、と言うから、これはお釈迦様の手の上さあがっていったべ」 ヤマガラの母さんも喜んで帰って行ったと。 二つの弔をして、ひと休みしようとしたら、間無(まな)しに、今度は、池の鯉(こい)の父さんがやって来た。 「土手の上さ鯉(こい)釣りが来て、嬶(かかあ)が釣られた。弔ってほしい」 と言う。蛙は、 「南無クタビレ阿弥陀仏ダ―」 と詠んだと。 「坊さま、嬶はどこさ行ったべな」 「あまりいやしくて、大きな口あいて食ったから、嬶はエンマさまさ行って、鍋さほうり込まれて煮られるなあ」 鯉の父さんは、シオラ、シオラ泳いで帰ったと。 今度こそひと休み、と、お供(そな)えの酒(さけ)を呑もうとしたら、そこへ、セミの弟がやって来た。 「兄ちゃんが猫にとられた。弔ってちょうだい」 蛙は、 「ナンム、ナンム、ナンム」 と短かく詠んだと。 「坊さま、兄ちゃんどこいった」 と聞いたら、 「猫に聞け」 と言ったと。 セミの弟は、ミ―ン、ミ―ンとベソかいて帰ったと。 「やれやれ、これで四つ弔った。今度は誰の番かな。飽(あ)きて来た」 と言いながら、やっと酒を呑んでいたら、そこへ、土手で遊んでいた子供が投げた石が、ヒュ―と飛んで来て、スコンと蛙に当ったと。 蛙は蓮の葉から転がり落ちたと。 腹を大っきくプクンとふくらまして、 「五つめはおれの番だったか、ナムアミダブツ、ナムアミダブツ」 と、一番ていねいに詠んで死んだと。 どんぺからっこねっけど。
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54『月見草(つきみそう)の嫁(よめ)』
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2011-11-10
54『月見草(つきみそう)の嫁(よめ)』 ―新潟県― むかし、ある山の村にひとり者の若い馬子(まご)が暮らしておったそうな。 馬子は、いつも朝早ように起きて山に行き、馬に喰わせる馬草(まぐさ)を刈る。 草を刈りながら歌う馬子唄は、ほれぼれするほどいい声だったと。 そうやって刈った草を馬に喰わせてから、お客を乗せたり、荷を運んだりして暮しておった。 ある晩のこと、 馬子が一日の仕事を終えて家でひと休みしていると、戸をホトホトと叩くものがあった。 「はて、こんな山家(やまが)に今頃だれだろ」 戸を開けると、きれいな、きれいな娘がひとり立っておった。 「今晩ひと晩、どうか泊めて下さい」 「俺らとこは、俺ひとりで、お前を泊めるったって、ろくなまんまもしてやらんねすけ」 「ご飯ぐらい私がします。どうか泊めて下さい」 「ほうか、ほんならまあ、入(はい)られ」 馬子が娘を招じ入れると、娘は、掃除はするし、洗濯はするし、出来た晩ご飯のうまいこと、うまいこと。 「俺ら、明日の朝は早いすけ、おめえの好きな時に出て行っていい」 そう言って馬子は寝たと。 次の朝、馬子は早ように家を出て、夜遅うに戻って来たら、娘がまだ居たと。 「おめえ」 「はい、晩ご飯が出来ています」 というんだと。 その次の日も、そのまた次の日も娘は出て行かないで、まめまめ働くんだと。 馬子は、 「こんなんが俺らの嫁だったら何ぼいいか」 と思うて、娘をじいっと見ていたと。 そしたら娘が、 「あなたはひとりもんで不自由でしょうから、どうか私を嫁にして下さい」 と言うた。 「そうか、ええか、お前がその気なら俺らの嫁になってくれ」 と言うて、その晩から、ふたりは夫婦(ふうふ)になったと。 ある朝、馬子は、いつものように歌いながら山の草を刈って来て、馬の前に置いてやったと。 そしたら、その草の中に、きれいな月見草の花が一本混ってあった。 「おう、こらまた、きれいな花だ。知らずに草と一緒に刈ったんだな」 と、手にとって、 「おおい、かか、かか、きれいな花があったや」 と呼んだけど、返事がないのだと。 「おおい、どこ行った」 あちこち探したら、嫁は、流しの所で朝ご飯を作りかけのまま倒れていたと。 「おっ、どうした。どこかあんばいでも悪いのか」 と、あわてて抱き起こすと、嫁は細い声を出して、 「私は、実は月見草の花の精なのです。毎朝、あなたのいい歌声を聞かせてもらっているうちに、嫁になりたいと思うようになりました。その思いが叶って今日まで幸せでした。思いがけず、今朝あなたに刈られてしまいました。私の命もこれまでです。短い間でしたけれど、優しくして下さってありがとう」 こう言うと、馬子に抱かれた嫁の姿は、だんだんうすくなっていって、やがて消えてしもうたと。 いきがぽうんとさけた。
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53『猿蟹(さるかに)ひとりぽっち』
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2011-11-10
53『猿蟹(さるかに)ひとりぽっち』 ―島根県― 昔があったげな。ある山に猿(さる)がポツンとひとりでおったげな。海っ端(ぱた)にはカ二がポツンとひとりぽっちでおったげな。 ある日猿はあんまりつまらなくって、海っ端に行って見ようと思って、山を下りて来たげな。 そしたら、ちょうどいい格好(かっこう)の松の木があったので、それに登って枝に腰(こし)かけたげな。 遠くはどこまでも広々しとるし、近くは波が岩に当ってアワが飛んどるし、いい気持じゃけえ、 「海っ端いうものはええもんだ。風はブ-ブ-吹くなり、波はドンドと打つなり」 といったげな。 そしたら、下で、 「ふ-ん」 といって、応(こた)えるものがある。 誰だろうと思って下をのぞいてみたけれど誰もおらんげな。 「おかしいなあ、そら耳かなあ」 と、首をかしげて、また、 「海っ端いうものはええもんだ。風はブ-ブ-吹くなり、波はドンドと打つなり」 といったげな。 そしたら、また、下で、 「ふ-ん」 といって、応えて来た。 また下をのぞいて見たけれど、やっぱり誰もおらんげな。 「おかしいなあ。たしかに返事がしたんだがなあ」 猿は松の木から下りて、あっちうろうろ、こっちうろうろ探してみたら、石積(いしづ)みしてあるところがあった。 上の石をちょこっと起こしてみたら、カ二が一匹おったげな。 「はあ、おったぞ。こら、カ二カニ、返事したのはお前か」 と聞いたが、カニは何も言わずに石の間に逃げ込もうとしたげな。 「なんだい、わしのことに返事なんぞして欲しくないわい」 いうて、他の石を打ち下ろしてカニを潰(つぶ)してしもうたげな。 それから猿は、また、松の木に登って、さっきと同じように周囲(まわり)を見まわして、 「海っ端いうものはええもんだ。風はブ-ブ-吹くなり、波はドンドと打つなり」 というたら、今度は、誰も返事するものは無(な)かったげな。 耳をすましたら、風と波の音だけが聞えて来たげな。 「何だかつまらんなあ」 猿は松の木から下りて、石の下で潰れたカニを団子(だんご)にして、 「カニ、カニ、お前もひとりぽっちだったげな、すまねがった」 というて、元いた石の間に置いたげな。 それから、また、松の枝に腰を下ろして、 「海っ端いうものはええもんだ。風はブ-ブ-吹くなり、波はドンドと打つなり」 と言うたら、何と、 「ふ-ん」 と、団子になったカニが返事したげな。 猿はええ気持がして、何度も何度もそうくり返しておったげな。晩方になって 「やっぱり返事するものがなきゃあいけんなあ。明日(あした)も来るけん、また、返事してごせえよ」 いいおいて帰ったげな。 そえで こっぽし。
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52
52『鳥呑爺(とりのみじい)』
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2011-11-10
52『鳥呑爺(とりのみじい)』 ―長野県― 昔、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでおったと。 ある日、お爺さんは山の畑で働いておったと。お昼になったので弁当に持って来たかい餅を食べ、残りを木の枝に塗りつけて、その木の下で昼寝をしたと。 そこへ一羽の山雀(やまがら)が飛んで来て、木の枝に止まった。そしたら、かい餅がくっついたと。 鳥が羽をバタバタさせてもがいている音で目を覚ましたお爺さん、 「おうおう、可哀そうに、待て待て、そんなにあばれると羽にも餅がついてしまうぞ」 というて、山雀を手にとって、その足についている餅をなめてとってやろうとした。 そしたらなんと、爺さんには歯がなかったもんで、餅を吸いとっているうちに山雀も一緒に、つるんと呑みこんでしまった。 「ほい、しもうた」 というたが、あとのまつり。腹の中で山雀がぴくぴく動いとるのだと。 「こりゃ、どうしたもんか」 と腹をさすっておったら、そのうち、ヘソのところで何か触るものがあった。 見ると、山雀の尾羽の先がヘソからちょこっと出ているのだと。 お爺さんがそれを引っぱってみたら、 チチンプヨプヨ ゴヨノオンタカラ と、鳥の啼(な)くようなオナラが出た。 「ありゃ、ありゃりゃ、でもおもしろいな」 というて、また、それを引っ張ってみた。 チチンプヨプヨ ゴヨノオンタカラ というオナラが、また出たと。 「『ゴヨノオンタカラ』とは何だかめでたいな、婆さんにも聞かせちゃろ」 というて、急いで家に帰ったと。 お婆さんにわけを話して、二人で何度も何度も山雀の尾羽を引っ張って楽しんだと。そのうちお婆さんが、 「お爺さんや、こんなにめでたいオナラをふたりだけで聞いているのはもったいないなや。これは、お殿さまにもおきかせなされませ」 と、すすめるので、次の日、殿さまの御殿へ出掛けて行ったと。 御殿の裏の竹薮(たけやぶ)で竹を伐(き)っていると、番人がやって来て、 「殿さまの竹を伐るのは何者だ」 と、とがめたと。お爺さんは、ここぞと思って、 「わしは、日本一(にっぽんいち)の屁放(へひ)り爺でごじゃる」 と、胸をそらせた。 「なに、日本一の屁放りとな。それなら殿さまの御前(ごぜん)でおきかせしてみよ」 というて、お爺さんを御殿の中へ連れて行ったと。 殿さまの前へ出て、ヘソのところに手をやり、山雀の尾羽を引っ張った。 チチンプヨプヨ ゴヨノオンタカラ と、そりゃいい音が出たと。 殿さまはじめ、そこにひかえていた家来一同大喜び、 「当家が栄えるめでたい屁じゃ」 という者もあって、お爺さんは大いに面目をほどこしたと。 殿さまの竹を伐ったのもおとがめなしで、褒美(ほうび)をたくさんいただいて帰り、お婆さんとふたり、一生安楽に暮らしたと。 いちご さかえた。
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51『竜神様(りゅうじんさま)と樵(きこり)』
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2011-11-10
51『竜神様(りゅうじんさま)と樵(きこり)』 ―青森県― むかし、ある山奥で樵(きこり)が三人山小屋(やまごや)に泊って山仕事をしていたそうな。 ある日、仕事が終ってから、山小屋で晩飯(ばんめし)をすまして夜話(よばなし)をしていたと。 そしたら、そのうちの一人が突然、ウ-ンとうなって苦しみ出した。顔色がだんだんに青くなって、いまにも死にそうになったと。 「お、おい、どうした」 「どこがあんべえ悪(わ)りいだ」 「ウ-ン、下っ腹が痛ぇだ」 「ん、分った。ここか」 と、二人が両脇からその男の下っ腹に手をのばしてさすってやったら、腹が変にふくらんで、腹の中で何かが、ゴニャラ、ゴニャラ動いている様子だと。 「横になれば、楽になる」 と、その男を寝かせたと。 寝かせてみて気がついた。何と、男の尻の穴に、地面から出て来た毛むくじゃらのごっつい手が、入っていたと。 二人はびっくりして、 「な、な、なんだ、これは」 と、その手を抜こうとしたけど、なんぼ引っ張っても、手は抜けないのだと。 二人は怖ろしくなって、 「ば、ば、化け物だぁ」 「ウヒャ-」 と、逃げてしまったと。 残された男は、ただもう、油汗流してうなるばかり。 そのうち、どこからか、割れ鐘を打ち鳴らしたような声が聞こえてきた。 「わしは、この沢にいる大蛇じゃ。間もなく百年の行(ぎょう)が終わるところだ。行が終われば、わしは海へ行く。海であと百年の行をして竜になる。近いうちに、三日間大雨を降らせる。その水に乗って海へ出るが、この小屋の側に桂の木がおがっているじゃろ、あの木がじゃまだ。あの木を倒してくれろ」 と、いっているんだと。 樵は、苦しいのをがまんして、 「切り倒してやりたいども、おら動けん」 というと、そのとたんに、尻の穴の手がスポンと抜けて、元の身体になったと。 樵は喜(よろこ)んで、桂に木を切り倒して炭に焼いてしまったと。 炭焼きが終った夜から、山が鳴って、大雨が降り出した。 三日目に樵は、大蛇がいる穴を見に行ったと。 大蛇は、たった今、その穴からウネウネ出ていったところだった。 樵は、びくびくしながらその穴の中へ入ってみた。そしたら、穴の奥に、ピカピカ光るものがある。そろりそろり近づいて、よくよくみたら、何と、でっかい金の塊(かたまり)だったと。 「はあ、あの大蛇が、おらにお礼にこの宝物授けてくれただな」 樵はその金の塊もらって、いっぺんに大分限者(おおぶげんしゃ)になったと。 逃げて行った二人は、それからのちも何もいいことなくて、一生貧乏で暮らしたと。 とっちぱれ。
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50『猫檀家(ねこだんか)』
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2011-11-10
50『猫檀家(ねこだんか)』 ―岩手県― むかし、あるところに貧しい山寺があって齢(とし)をとった和尚(おしょう)さんがすんでおったそうな。 和尚さんは年老いた虎猫を飼って子供のように可愛がっておった。 ある日のこと、和尚さんが炉端(ろばた)で居眠りをしていたら、虎猫が、 「和尚さま、和尚さま、お前さまも大分齢をとったで、世間では相手にしなくなって来たな。おらも随分長いことお世話になって、もう化けるような齢になってしまった。したども、何とかその恩返しをしたいと思って」 という。 和尚さんは、猫が口をきいたので、びっくりしていると、つづけて、 「和尚さま、おらはこのごろ、この寺をもういっぺん繁昌(はんじょう)させて、和尚さまに楽させたいと思うだ。おらにいい思案(しあん)があるだ。近いうちに長者どんの一人娘が死ぬけど、その葬式(そうしき)の時に、おらが娘の棺桶(かんおけ)を空に浮き上げるから、和尚さまがお経を読んでけろや。そのお経の中に『南無(なむ)トラヤヤ、トラヤヤ』と声を掛けたら、おらがその棺桶を下へおろすべ。そしたら、そののち、きっといいことがある」 と、言ったそうな。 間もなく、猫の言葉通りに長者どんの一人娘が病気で死んだと。 葬式は、あちらこちらの寺の和尚さん達を招(まね)いて、ごうせいなものだと。 ところが、この山寺の和尚さんだけは招かれなかったと。 葬式が、いよいよ野辺送(のべおく)りというときになって、どうしたことか、棺桶がしずしずと空へ浮いていって、高い高い中空に上ってしまった。 あまりの不思議さに、人々は驚ろいて、 「あれれ、あれれ」 というばかりだと。長者どんは 「あの棺桶を下ろしてけろ。その者には一生の年貢米(ねんぐまい)もやるし、お寺の普請(ふしん)もするだ。望みによっては、門も鐘撞堂(かねつきどう)も、何でも寄進(きしん)してやる」 と叫んだ。 そしたら、多勢(おおぜい)の和尚さんたちは、一層声高(こわだか)に、空を仰(あお)いでお経をよみはじめた。 しかし、やっぱり棺桶は空に浮かんだまんまだと。 いよいよ困り果てた長者どんは、 「こりゃ、何としたもんだべ。誰か他に和尚は、残っとらんか」 と聞くと、村の衆は、 「へえ、あとは、あの山寺の和尚さんがひとりだけ残っているだけでござんす。しかし、連れて来ても役には立ちますめえ」 と、いった。 「いやいや、ともかく、その和尚さんを早うお連れしろや」 村の衆が迎えに行くと、山寺の和尚さんは破れた法衣(ほうえ)を着て、杖をついて、のんびりのんびりやって来たと。 そして、空を仰ぎ見ながら、ゆっくりとお経を読みはじめた。いいかげんのところで、 「南無トラヤヤ、トラヤヤ」 と、猫に教(おそ)わった文句を誦(よ)みこんだ。 すると、今まで中空に浮いていた棺桶が、そろり、そろり降り始めて、やがて下に着いたと。 そしたら、長者どんも、村の衆も、みんな山寺の和尚さんの足下(あしもと)にひれ伏して拝(おが)み、口ぐちにほめたたえたと。 他の多勢の和尚さんたちは、すっかり面目(めんもく)を失って、コソコソと逃げるようにして帰って行った。 それからのちは、貧しかった山寺はたちまち建て直されて、山門(さんもん)も鐘撞堂も作られて、見違えるような立派なお寺になったと。 和尚さんは、まるで生き仏(いきぼとけ)のように崇(あが)められて、余生(よせい)を安楽に暮らしたそうな。 いんつこ もんつこ さかえた。
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49
49『椀貸淵(わんかしぶち)』
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2011-11-10
49『椀貸淵(わんかしぶち)』 ―群馬県― 利根川(とねがわ)の上流、群馬県は老神温泉(おいがみおんせん)の近く、追貝(おっかい)というところに一筋(ひとすじ)の川が流れている。名を片品川(かたしながわ)といい、中(なか)ほどに州(す)で出来た浮島(うきしま)があって、そこにある小さなお堂には、一体(いったい)の観音様を祭(まつ)ってあった。 その少し下流に滝がある。この滝のことを土地の人々は、吹割(ふきわり)の滝と呼んでいた。 吹割の滝壷(たきつぼ)は、年中渦(うず)を巻いて、深い底は竜宮(りゅうぐう)に通じていると信じられていた。 わずかに風のある早朝(そうちょう)、川辺(かわべ)りに立つと、時々、笛のような透(す)きとおった音が、朝もやの水面(みなも)を這(は)って聴(き)こえて来たという。 むかし、何百年も昔のこと。このあたりに観音様の堂守(どうもり)をしている重兵衛(じゅうべえ)という庄屋がおった。 重兵衛は、気立てのよい男じゃった。 毎朝観音様を見まわったあと、滝の手前で釣りをするのが常(つね)だった。 ある朝、重兵衛が釣りをしていると、滝壷から乙姫様があらわれて、何やら重兵衛と話をしたんだと。なんでも、重兵衛の釣りをする姿を、毎日毎日、乙姫様は水底からながめておったんじゃそうな。 つまり、乙姫様に見染められたっちゅう訳じゃ。 それから重兵衛は、手紙を書いては川に流すようになった。すると、乙姫様の返事は、滝の上にある岩に置いてあったそうな。 やりとりは手紙だけじゃあねぇぞ。重兵衛の家に客が多勢来て、膳(ぜん)と椀(わん)の足りない時は、手紙で、竜宮に」いる乙姫様にお願いしてな、貸してもらっていたそうな。 返す時は、滝の上にある岩の上に置いとくと、翌朝には無くなっているっちゅう寸法(すんぽう)だ。 こうして何回も借りたり返したりしておった。 ある年の春祭りのこと、 重兵衛の家に、急に多勢の客がやってくることになった。 重兵衛は、また、竜宮にいる乙姫様に手紙を出して、不足の膳と椀を借りたそうな。 祭りが終って、いつものように返しておいた。 ところが、この時重兵衛は失敗をやらかした。数を間違えて、一組返し忘れてしまったんだと。気がついたのは翌朝だった。 あわててお詫(わ)びの手紙を添(そ)え、岩の上に返しておいたが、翌日になっても、一組の膳と椀は置かれたままじゃったそうな。 きちんと返す約束を果さなかったので、乙姫様は怒ったのかも知れねえな。 それからというもの、手紙を書いて流しても返事は来ないし、何も貸してもらえなくなったんだと。 残った一組の膳と椀は、今でも重兵衛さんの子孫(しそん)で、利根村の追貝にいる星野元一(ほしのもといち)さんのお宅に、大事に保存されている。 星野さんのお宅には昔から、この膳と椀を見にくる人がひきもきらず訪(おとず)れ、見た人は必ず「龍宮御椀拝観芳名簿(りゅうぐうおんわんはいかんほうめいぼ)」に署名(しょめい)していくのが習慣」(ならわし)でな、大正六年八月には文豪(ぶんごう)菊地寛(きくちかん)がまだ時事新報(じじしんぽう)の記者だった頃の署名もある。 でも、素晴らしいじゃねえか。乙姫様と恋をしたご先祖様がござっしゃるなんてよ。 いちがぽんとさけた。
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48
48『侍狸(さむらいだぬき)』
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2011-11-10
48『侍狸(さむらいだぬき)』 ―愛媛県― 昔、愛媛の西宇和郡三崎町(にしうわぐんみさきちょう)というところに藤吉(とうきち)という猟師(りょうし)がおったげな。 ある日、山へ行きよると、狸の穴があった。 藤吉はうれしゅうなって、 「ようし、今日は狸をとっちゃろ。一匹とれば一日まんまが食べられる。二匹とれば二日まんまが食べられる。五匹で五日、ほっほう」 と、とらぬ狸の皮算用(かわざんよう)したと。 そこでさっそく、木(こ)の葉をくすべながら、穴を掘りよった。 ところが、なんぼ掘っても何も出て来ん。 「はあて、狸はおらんのかな」 と思っていると、ふいに穴の中から立派な侍(さむらい)が出て来て、 「藤吉、ごめん、とおるぞ」 と言うたもんだから、藤吉はたまげて、 「へへぇ-っ」 と、頭を下げた。 ほして、頭を上げようとすると、また侍が出て来て、 「藤吉、ごめん」 「へへぇ-っ」 頭を上げるとまた一人、また一人、藤吉はへへぇっ、へへぇっと頭を下げては上げ、上げては下げ、七人の侍におじぎをしたそうな。 そのたんびに、いぶしている煙の中へ顔を突っ込んだもんで、ゴホン、ゴホンむせて、 「ああ、苦し」 と、涙流して、胸をたたいて、「はてな」と思うた。 「何で、こないなところからお侍さんが出て来よる」 どう考えてもおかしい。そこで、あわててのびあがって向こうを見ると、七匹の狸が、頭にシダの葉っぱを乗せて、逃げて行くところやった。 「ありゃ、七日分のまんまに逃げられた」 藤吉はそう言うて泣いたとや。 何とあほうな猟師と、りこうな狸がおったもんぜなあし。 むかしこっぷり。
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47『箱根(はこね)のあまのじゃく』
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2011-11-10
47『箱根(はこね)のあまのじゃく』 ―神奈川県― むか-し、むか-し、気の遠くなるくらい大昔のことだ。 箱根(はこね)山に天から来たという神様とも人間ともつかぬ面(つら)をして、へそまがりで、力持ちのあまのじゃくというもんがおった。 だけど、このくそ力が出るのは晩だけで、お天とう様があまのじゃくの頭に当たるとフニャ、フニャと力はふぬけてしまう。 ある年のすっぽ-んと晴れた日、 あまのじゃくは、箱根のてっぺんに突(つ)っ立(た)って、あたりを見まわしておった。 四方(しほう)にはいろんな姿の山々が、デコン、ボコンと並んで背ぇくらべをしている。 「ウ-ム、とくに高い山もねえし、大体うまくいっておるわい」 満足げにぐる-っと首をまわしていって西の方を見たときにジャガリと目が光った。 そこには、雲の上にまで頭をつんだし、裾(すそ)をすんなり広げて、晴れ姿を芦(あし)の瑚(こ)に映(うつ)している富士の山があった。 「なんとまあ、美しい山だんべさ。高さといい、うしろ姿といい、ほれぼれするわい。里のやつどもが箱根山に尻っぺたをむけて、朝に夕に富士山をながめてかしこまっているのも無理のねぇこった」 あまのじゃくは、ため息ついて見とれていたが、そのうち富士山が憎(に)くらしくなってきた。 「わしの箱根山がそっぽをむかれるのは、そばにあいつがいるからじゃ。よ-し、今に見ておれ、わしのくそ力でてっぺんをひったくってやっから」 その晩、里の者が寝(ね)静(しず)まったころ、あまのじゃくは大(おお)フゴをかついで富士山へ登り、岩をひったくると大フゴに入れて海っ端(ぱた)に来ては、沖合(おきあい)めがけてその岩をぶん投げておった。 次の晩も、その次の晩もやらかしておった。 そしたらなんと、その岩が海のどまん中に積(つ)もりに積もって、島が出来た。 それが今も太平洋(たいへいよう)にある伊豆七島で、投げそこなって海っ端に落ちて出来たのが熱海(あたみ)の初島(はつしま)じゃ。 あまのじゃくは、なおも陽(ひ)の当たらない森の中から富士山をにらんでおった。 「む-ん、でぇぶん低くなったが、まあんだ高けえ。もうひと息じゃ、がんばらにゃぁ」 晩のくるのを今か今かと待っておった。 ところが、その晩、欲張(よくば)ったあまのじゃくは、でっかい岩を一度にひっぺがそうとしてえらく手こずった。 やっとこさ大フゴに押し込んで、箱根山を越(こ)そうとした時、里の方から、ケケロケ-、ケケロロ-と、一番鶏(いちばんどり)が啼(な)いて東の空が白(しら)み、お天とう様がホンワリ、ホンワリ登って来た。 「こ、こりゃあえらいこった。里のやつらに見(め)っかったら今までの苦労(くろう)が水の泡じゃ。それよりも、わしの力がふん抜けてしまうわい」 あまのじゃくは、あわくって大フゴの中の岩をおんまけると、うしろをふりかえりもせずに山の暗がりめがけて飛んで行った。 やがて、お天とう様が登って来て箱根の山を照らしはじめた。 すると、お椀(わん)を伏(ふ)せたみたいな新しい山が二つ出来ているでねえか。 これがな、あまのじゃくがおんまけた岩で出来た山で、今も箱根山にデガン、デガンと乗っかっている二子山(ふたごやま)じゃ。 おしまい チャンチャン。
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