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22『桃の子太郎』
2011년 11월 10일 21시 56분
조회:2089
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작성자: 망향
22 『桃の子太郎』
―岡山県―
むかし、むかしあるところに爺さんと婆さんがおってな、爺さんは山へ柴刈りに、婆さんは川へ洗濯に行ったそうな。
婆さんが洗濯をしていると、川上から大きな桃が、プックリコウ、スッコッコウと流れてきた。婆さんがそれを拾って食べてみたら、うまかった。それで川上に向って、
「もう一(ひと)つ流れよ、爺さんにあげよう。もう一つ流れよ、爺さんにあげよう」
というと、赤い大きな桃が、また流れてきたそうな。
婆さんは、ひしゃくでひょいとすくうて持って帰ると、戸棚」(とだな)にしまっておいた。
晩方になって、爺さんが、山から柴を背負(せお)って戻った。
「爺さんな、今日、川から、うんまい桃を拾うて来たよって、お食べぇ」
婆さんが桃を出して切ろうとしたら、桃がぽかっと二つに割れて、中から男の子が、「ホホヤア、ホホヤア」と出てきたと。
爺さんと婆さん、びっくりして、
「あいややぁ、こらァ大事(おおごと)だぁ」
ってんで、湯を沸(わ)して産湯(うぶゆ)をつかったり、産着(うぶぎ)を着せたり、大騒ぎ。
「家には子供がなかったのに、思いもかけず子を授かって嬉(うれ)しいことじゃあ。桃から生まれたから、名前を桃太郎にしょうかいの」
って、桃太郎と名付けたと。
爺さんと婆さんは二人して、粥(かゆ)をすすらせたり、魚のすり身を食べさせたりして育てた。
桃太郎は、一杯食べさせれば一杯だけ、二杯食べさせれば二杯だけ、大きくなって、やがて、山仕事も出来るくらい力持ちの子供に育ったと。が、何にもせんで、いつもイロリ端でごろんと寝てばかり。
あるとき、近所の子ぉが、
「桃太郎、桃太郎、山へ木を伐(か)りに行こう」
と誘(さそ)いに来たら、
「今日は縄(なわ)をなわにゃならん」
と言うて、行かん。
爺さんと婆さんが、縄をなってくれるのかと喜んでいると、桃太郎はなんにもしないで、ごろんと横になったまんま。
あくる日は、
「今日は、背な当てを作らにゃならん」
その次の日は、
「わらじのひげをむしらにゃならん」
と言うて、動こうとせん。
爺さんと婆さんが、何ちゅう横着者(おうちゃくもん)かと思っていると、四日目にやっと連れだって山へ行ったそうな。
ところが、桃太郎は昼寝ばっかりして、弁当食べる時起きただけ。
晩方になって、一緒に行った子ぉが、
「もう帰ろうや」
と言うたら、「ワ-」と大あくびをして起きあがり、大っきな木の根っ子へ小便たれると、その木をガボッと引き抜いて、かついで戻った。
「ばあちゃん、もどったよ」
と声がするから出てみたら、置き場所も無い位の大木(たいぼく)だ。
「どこへ置こうか、庭さきへ置こうか」
「庭さきに置きゃぁ、庭がふさがる」
「軒(のき)に立てかけようか」
「軒に立てりゃあ、軒が砕(くだ)ける」
仕方ないから、谷川へポイと投げると、地響(じひび)きがして、山がゴオッと鳴ったと。
夜中になって、殿様の遣(つか)いがやって来た。
「ありゃ、何の音か見て来い」
とのおおせだそうな。
お城へ戻った使いから、桃太郎が大木を引き抜いて谷へ投げた音だと聞いた殿様は、ひざをポンとたたいて、
「そんなに力持ちなら、桃太郎を鬼が島へ鬼退治(おにたいじ)にやろう」
と命(めい)じたと。
爺さんと婆さんは、そんならまあ、日本一のきび団子をこしらえちゃろう、と臼(うす)をゴ-リン、ゴ-リン挽(ひ)いて、大きなきび団子を三つ、こしらえてやった。
桃太郎は、それを腰(こし)に結びつけて勇(いさ)んで出掛けた。
いくがいくがいくと、犬が出て来て、
「桃太郎さん、桃太郎さん、どこ行きなさりゃ?」
「鬼が島へ鬼退治に行く」
「腰につけているのは、何ですりゃ」
「こりゃあ、日本一のきび団子」
「そんなら一つおくれな。お供(とも)するから」
「一つはだめだ。半分やる」
犬は、きび団子を半分もらってついて行ったそうな。今度は猿(さる)が来て、
「桃太郎さん、桃太郎さん、どこ行きなさりゃ」
「鬼が島へ鬼退治に行く」
「腰につけているのは、何だすりゃ」
「こりゃあ、日本一のきび団子」
「そんなら一つおくれな。お供するから」
「一つはだめだ、半分やる」
猿もきび団子をもらってついて行ったら、今度はきじが出て来た。
そこで、きじにもきび団子を半分やって、
桃太郎は、犬、猿、きじを連れて行ったそうな。
鬼が島へ着いてみたら、鬼は、大きな門(もん)をピシャンと閉めて入らせん。
すると、きじが、パァ-と飛んで門を越え、内から門を開けた。
「それ行けぇ」
と、どおっと入って行った。
鬼は、
「何の、桃太郎が何だ」
と、ばかにしてかかって来たが、何しろ、こちらの四人は日本一のきび団子を食べているので千人力(せんにんりき)。
鬼を、片っぱしからやっつけるそうな。
犬は鬼の足にかみつくし、猿はひっかく、きじは顔やら目やらをつっついて、とうとう鬼を負かしてしまった。
鬼の大将(たいしょう)は、
「どうぞ、命ばかりは助けてくりょ。ここにある宝物を全部あげますけぇ」
と、降参(こうさん)したと。
桃太郎は、宝物を荷車(にぐるま)に積んで、犬と猿ときじと、みんなで押したり曳(ひ)いたりして戻ったそうな。
桃太郎は殿様にほめられ、いっぱい褒美(ほうび)をいただいて、爺さんと婆さんに一生安楽させたそうな。
どっとはらい。
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