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15『因幡(いなば)の白兎(しろうさぎ)』
2011년 11월 10일 21시 52분
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작성자: 망향
15 『因幡(いなば)の白兎(しろうさぎ)』
―山形県―
昔々、因幡(いなば)の国に白い兎がいたそうな。
毎日浜辺にやって来ては、
「何とかして、海渡って向こう岸さ行ってみてえなあ。んだげんども俺(お)ら泳がんねえし、海には何がいるか分(わ)がんねえから、途中で殺されっかわかんね。何とか無事に向こうさ行ぐ工夫ないべか」
と思って、ため息ついていたそうな。
そしたら、あるとき、ええこと考え浮んだ。
ワニザメを並べて、その背中の上のを行くといいって。
「んだら」
っていう分けで、ワニザメに相談したと。
「ワニザメ君、ワニザメ君、海のお前の数が多いか、陸(おか)の兎の数が多いか、位べっこすんべ」
「どうやってだ」
「お前だち海さ並んでみろ。おれ、一匹一匹勘定して行くから。勘定し終ったら向こうで兎ばみな集めるから。ほしたらお前が勘定すればええ。数が多い方が勝ちだ」
「わがった。ええがんべ」
っていう分けで、ワニザメは仲間みんなに声掛けて、こっちの岸から向こうの岸まで、ずらあっと並んだと。
「さあ、数えれや」
「ようし、行くぞぉ」
白い兎は得意になって、ワニザメの背中をピョンコ、ピョンコ跳ねて向こう岸まで行ったと。
いま一歩で陸さ上がるっていうとき、嬉しくなって、
「おれにだまされているとも知らず、こうして並んでくれてありがとうよ。おれ、数なの、白兎なの集める気なの何もないなだ。お前だちの背中渡って、向こう岸さ来たくってこういうこと言ったんだ」
って、つい言ってしまったと。
それを聞いた最後のワニザメは、怒って、白い兎をガブリッってくわえて、皮をはいでしまったんだと。
白い兎は、痛くて痛くて何とも仕様がないのだと。
泣いていると、そこへ神様が大勢通りかかって、
「これ兎、どうした」
「こういうわけで…」
「ああそうか、それは可哀そうに、それではお前、海の水に入れ。そうしたら、たちまち毛がはえる」
って言ったと。
白い兎が海の水に入ったら、
「痛てててて…」
って、塩水がしみて、ビリビリ、ビリビリ、ってもっともっと痛くなったと。
こらえ切れずにギャン ギャン泣いていたら、袋を担いた神様が通りかかったと。
その神様は親切で、
「お前、ほだらことしてもだめだ。きれいな真水(まみず)で洗って、して、蒲(がま)の穂(ほ)さ転がれ、んだどええから」
って、教えてくれたと。
白い兎がその通りにしたら、やっと元の白い兎になったと。
どんぴんからりん、すっからりん。
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