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3-16『三日月(みかづき)の滝(たき)』
2011년 11월 22일 12시 30분  조회:3515  추천:0  작성자: 망향

3-16『三日月(みかづき)の滝(たき)』

 

―大分県玖珠郡―

 
 昔、昔、今からおよそ千年もの昔のこと。
 京の都に、清原朝臣正高(きよはらのあそんまさたか)という横笛(よこぶえ)の名人がおった。
 正高は、笛の音色(ねいろ)を、清く澄ませるのも、甘く響かせるのも、野太(のぶと)く吠(ほ)えさせるのも、意のままにあやつれたと。調(しら)べも、あるときは、奥山(おくやま)の、木(こ)の葉草(はくさ)の上(うえ)を渡る微風(そよかぜ)のようにここちよく、あるときは、桜吹雪(さくらふぶき)とたわむれる風のように妖(あや)しく、またあるときは、大竹(おおだけ)をしならせ木々を唸(うな)らせる嵐のように荒々(あらあら)しく終わったりして、その音色と調べは、聴く者の心を、やさしくしたり、くるおしくしたり、せつないまでに懐かしくしたそうな。
 正高は、ただ己れの心のままに吹いているだけだったが、夜ともなれば正高の屋敷のあたりに聴く人が集まって来て、「横笛(ふえ)の正高」という呼び名は日毎(ひごと)に高まった。宮中(きゅうちゅう)にも知れたと。
 正高は、帝(みかど)に呼ばれて、宮中の宴(うたげ)の席で笛を吹くようになった。
 ある日のこと、宮中勤めをするようになった正高が笛ならしをしていると、どこからともなく、その笛に合わせるように美しい琴(こと)の音(ね)が流れてきた。小松女院(こまつにょいん)という姫の奏(かな)でる琴だったと。
 その日から、宮中では、笛と琴の音(おと)あわせが毎日のように聞かれるようになった。
 いつしか二人は互に慕(した)い合う仲になったと。
 ところが、これに気づかれた帝は、大層お怒(いか)りになられた。笛吹きの正高と、帝と血のつながりのある姫とでは、身分が違い過ぎるというのであった。
 正高は豊後(ぶんご)の国、姫は因幡(いなば)の国へと、離ればなれに流されてしまったそうな。
 幾年月(いくとしつき)かが過ぎた。
 どうしても正高のことが忘れられない姫は、ある夜、ひそかに豊後の国へと旅立った。十一人の侍女(じじょ)とともに、険(けわ)しい山を越え、海を渡るその旅は、命をかけての旅であったと。
 豊後の国、玖珠(くす)という所にたどり着いたのは、因幡を出てから百日余りもたった頃だった。みなみな身も心も疲れ果てて三日月の滝のほとりで休んでいた。するとそこへ、一人の年老いた木こりが通りかかった。侍女の一人が、
 「あのう、もし…」
と、声をかけた。
 「このあたりに、清原正高様というお方(かた)が住んでいると聞いて参ったのですが…」
 「ああ、横笛(ふえ)の正高様かね。正高様なら、五、六年前からこん里に住んでおいでじゃが、今じゃ、里のあるじ、兼久様(かねひささま)の娘婿(むすめむこ)になっちょいなさるで」
 これを聞いた姫をはじめ侍女たちは、言葉もなくたたずんだ。
 命がけでやって来て、今、生きる望みが絶たれた姫は、よろよろと三日月の滝のふちに近寄ると、手を合わせて身を躍らせた。あとを追って、十一人の侍女たちも次々と滝壷へ身を投げた。誰も一声(ひとこえ)も発(はっ)しなかった。
 年老いた木こりは、あまりの出来事に、棒立ちのまま、息を呑んで見つめていただけだった。
 正高は、この木こりから知らされた。異変を知らせるジャンを鳴らさせ、村人達といきせききって三日月の滝へ行ったが、姫も侍女も、誰一人救かった者はいなかったと。
 正高は姫とその侍女たちの霊を慰めるために山香(やまが)に寺を建てた。そして横笛(ふえ)を吹いた。
 正高の耳には姫の琴の音(ね)が聴こえていた。その琴の音に合わせるように、澄んだ音で、甘く響く音で、野太く吠える音で吹いた。ここちよい調べから妖しい調べへ、突然変調して荒々しく吹いた。
 村人たちは、その音色を調べに、正高と小松姫との、やさしく、くるおしく、せつない物語りを、まるで絵巻物(えまきもの)を見ているかのように感じて、涙を流した。
 正高の建てたその寺は、正高寺(こうしょうじ)と呼ばれ、今も残っている。
三日月の滝のほとりには、嵐山神社(あらしやまじんじゃ)が建てられて、正高の横笛が大切に保存されているそうな。

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